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冬冬野療養院ARCHIVE / 1958—2025

RECORDS PRESERVATION

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PRESERVATION REVIEW / 12 RECORDS

廃棄予定資料群

W-03で確認された保全例外と同じ特徴を持つ、未登録資料12件の照合記録です。

PRIOR RECORD REQUIRED

先にW-03の照合を完了してください

この資料群は、W-03の分類再評価後に開きます。紙片の時刻と西棟図面を照合し、最初の保全記録を確認してください。

W-03を確認する

追加照合

  1. 三つの保管物
  2. 空白の返却欄
  3. N.の写し
  4. 安定の定義
  5. 返した事実
  6. 最終返却照合
  7. 返却記録
返却候補1 / 13

照合状況はこの端末に保存されます。

DISPOSAL BOX 02

未登録物 3点

三つの保管物

廃棄箱2号の物品票に、対象番号のない保管物が三点あります。同じ箱から見つかった聞き取り抄録と照合してください。

C-08当時9歳

処置前

「おばあちゃん、遠いから来られないんだ。ぼくの声を入れて送ったら、電話じゃないときも聞けるでしょ」

処置後

「送るものは、ありません。手紙も、別にいいです」
C-11当時14歳

処置前

「退所したら、一人で電車に乗ってみたい。終点の一つ前で降りると、海が近いって聞いた」

処置後

「行きたい場所はありません。家の人が決めたところで大丈夫です」
C-14当時12歳

処置前

「弟は、丸いパンの真ん中だけ先に食べるんです。帰ったら、ぼくが焼いたのを渡したい」

処置後

「家で作りたいものはありません。食事は用意されたものでいいです」
物品票の照合

本人・言葉・保管物が三件とも一致しました。返却候補へ分類します。

C-08自分の声で昔話を録り、孫へ送信。

C-11海辺の駅までの往復券を本人が購入。

C-14弟と台所に立ち、丸パンを一緒に焼く。

PROCEDURE REVISION

1981 / 1986

空白の返却欄

1981年版の手順書には、退所前に行う「返却確認」があります。1986年版では、その欄だけが削除されています。

1981年版長期療養児・将来申告一時保管手順
  1. 対象者と保管物の登録
  2. 不安の強い期間のみ保管
  3. 退所前の返却照合
  4. 本人による返却確認

欄外注記:保管は一時的なものとし、本人の同意なく継続しない。

1986年版西棟・将来申告対応要領
  1. 対象者と保管物の登録
  2. 情緒安定まで保管
  3. 退所判定へ移行
  4. 保管物を施設資料として処理

返却照合および本人確認の記入欄なし。

C-17当時13歳

保管物:メトロノームの重り

「間違えて止まるんじゃなくて、好きな曲を最後まで弾いてみたい」
C-21当時10歳

保管物:赤い首輪札

「家に帰ったら犬と暮らしたい。散歩は朝でもいい」
C-24当時8歳

保管物:青い水泳級札

「何秒か数えないで、端までゆっくり泳ぎたい」

返却工程の復元

1981年版の欄外番号に従い、返却工程を元の順へ戻してください。

  1. 一番目
  2. 二番目
  3. 三番目
  4. 四番目

1981年版の返却工程を復元しました。空白だった三件を返却候補へ分類します。

C-17自宅で、好きだった一曲を止めずに最後まで演奏。

C-21保護犬の一時預かりを本人名義で申請。

C-24時計を外し、休みながら25メートルを泳ぐ。

CROSS-REFERENCE

訂正印 3件

N.の写し

関係のない三種類の施設資料に、同じ訂正印が残っています。いずれも、廃棄されたはずの言葉を本文の余白へ書き戻した記録です。

修繕記録 E-311988.06.14

西棟郵便受け、差入口を補修。

余白転記:「元気だと、自分から書きたい」訂正印 N-17
図書貸出台帳 L-361989.02.03

長期貸出一冊、返却期限を延長。

余白転記:「急がないで、最後まで読みたい」訂正印 N-17
写真室備品票 P-421990.11.22

未現像フィルム一本を保管庫へ移動。

余白転記:「帰る日の町を撮っておきたい」訂正印 N-17
1978年 西棟職員配置表(記録担当)
職員番号氏名担当在籍
N-12西川 澄江医事1971–1983
N-17新田 直子記録1974–1998
N-21野口 文夫用度1976–1982

RECORD CLERK / N-17

新田 直子

1974年から1998年まで西棟の記録係として勤務。返却欄が空白のまま退所処理へ回ることに気づき、本人の言葉と保管物を照合できる写しを施設資料へ残した。

返却先不明。廃棄せず、照合可能な形で残す。診療記録の外に写したことについては、私が責任を負う。1998年 引継ぎ票

職員記録追記:2011年死去。退職後を含め、当該資料へのアクセス記録なし。

C-31短い近況を絵はがきへ書き、自分で投函。

C-36途中で返した本をもう一度借り、続きを読む。

C-42フィルムを入れたカメラで、駅前を一枚ずつ撮影。

OPERATION REVIEW

1978–1986

安定の定義

試行開始時の趣意書と、六年後の評価票では、同じ処置の目的が異なる言葉で記されています。

1978年 試行趣意書
退所後の生活を繰り返し考えることが、現在の不安を強める場合がある。本人が望むときに限り、その考えを一時的に保管し、退所前に本人へ返す。

評価項目:睡眠、食事、本人の不安申告、返却確認

1984年 運用評価票
処置後、自発的な将来申告が減少し、指示受容が改善した場合、情緒安定が認められたものとする。

評価項目:将来申告回数、指示受容、処置継続日数

1986年 会議抄録
返却確認は退所手続を長引かせ、処置効果の集計対象にも含まれない。次回改定時に様式から除外する。

欄外異議:返さないなら、預かったとは言えない。記入者 N.

C-48当時13歳

保管物:赤い布見本

「退所の日に着る服は、自分で選びたい。白じゃないものがいい」
C-52当時9歳

保管物:カレーの献立カード

「家のカレーはみんな同じ辛さだけど、ぼくが二つに分けて作る」
C-57当時16歳

保管物:進路票の複写紙

「戻ったあと、どこへ行くかは自分で決めたい。決めるのを休んでいただけだから」

評価項目の変更

後年の制度が「安定」として数えた状態を選んでください。

扱いやすくなった状態を、制度が「安定」と記録していました。

試行時の目的は、不安を一時的に和らげることでした。六年後、職員は返却を集計対象から外し、退所手続からも削りました。西棟には通常の療養で回復した記録も残っています。それでも、この13人に預かったものを返さなかった事実は変わりません。

C-48赤いコートを試着し、迷った末に本人が購入。

C-52甘口と辛口を二つの鍋に分け、家族へ振る舞う。

C-57本人名義で夜間の木工講座へ申込み。

FINAL HANDOVER

N-17 / 4 pages

返した事実

新田の引継ぎ票は、四つの施設台帳へ一枚ずつ綴じられていました。ページ番号に従い、最後の記録を元の順へ戻してください。

引継ぎ票の復元

  1. 一枚目
  2. 二枚目
  3. 三枚目
  4. 四枚目

返すのは、昔と同じ願いではない。
いまの本人が、選び直せること。

記録が残すべきなのは、
失った未来ではなく、返した事実である。新田 直子 1998年3月

13件すべてについて、本人・元の言葉・保管物の照合が完了しました。

RETURN REVIEW

13 / 13 READY

最終返却照合

返却候補13件の照合表です。確定後、保管物に残る痕を現在の本人へ返し、資料区分を更新します。

対象本人言葉保管物
C-03一致一致白い紙の花
C-08一致一致録音テープ
C-11一致一致海辺行き時刻表
C-14一致一致丸パンの紙袋
C-17一致一致メトロノームの重り
C-21一致一致赤い首輪札
C-24一致一致青い水泳級札
C-31一致一致未使用の絵はがき
C-36一致一致図書貸出票
C-42一致一致未現像フィルム
C-48一致一致赤い布見本
C-52一致一致献立カード
C-57一致一致進路票の複写紙

確定後は、現在の本人が自分で選んだ行動を返却確認として記録します。過去の希望を、そのまま実行したものとは扱いません。

RETURN CONFIRMED

13 / 13

返却記録

返却照合 完了

対象記録
13件
返却確認
13件
未返却
0件

資料移管区分を更新しました。
旧区分 廃棄予定資料
新区分 返却記録・永久保存

CURRENT RETURN LOG

現在の返却確認

本人の希望により、当時の呼称と返却後の行動を記載しています。

C-03

朋美

苗売場を二度まわり、青い花を一鉢選んだ。

C-08

悠人

昔話を一本、自分の声で録った。送り先は孫。

C-11

美和

海辺の駅まで、自分で往復券を買って出かけた。

C-14

直樹

弟と同じ台所に立ち、丸パンを焼いた。

C-17

佳奈

途中で止めず、好きだった曲を最後まで弾いた。

C-21

真司

保護犬の一時預かりを申し込んだ。

C-24

千春

時計を外した。休みながら、端まで泳いだ。

C-31

理恵

短い近況を絵はがきに書き、自分で投函した。

C-36

聡

途中で返した本を、もう一度借りた。

C-42

恵

駅前の商店街を、一枚ずつ写真に撮った。

C-48

香織

赤いコートを試着し、そのまま持ち帰った。

C-52

隆

甘口と辛口を二つの鍋に分け、家族へ出した。

C-57

亜希

本人名義で、夜間の木工講座へ申し込んだ。

FINAL TRANSFER NOTE

最終移管報告

新田直子が残した返却一覧13件に、返却完了日を記入しました。該当資料は廃棄対象から除外し、経緯を含む返却記録として保存します。

13人とも、今度は自分で選びました。

冬野療養院資料保存会

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閲覧状態

追加照合の進行は、この端末のブラウザにだけ保存されます。W-03の記録は初期化されません。

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ARCHIVE / 1958—2025

資料整理:冬野療養院資料保存会

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